診療紹介
呼吸器外科では、肺・縦隔などの胸部の疾患を専門的に診療を行っています。
主な対象疾患としては、肺癌や転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などの腫瘍性疾患、気胸や肺嚢胞などの嚢胞性肺疾患、膿胸や肺化膿症などの炎症性疾患があげられます。このほか呼吸器外科が扱う手術としては、重症筋無力症に対する拡大胸腺切除術、手掌多汗症に対する手術などがあります。
当院は、日本呼吸器外科学会認定関連施設として、呼吸器外科専門医2名、日本胸部外科学会認定3名、日本呼吸器外科指導医1名のスタッフで、万全の体制で呼吸器手術に対応しております。
主な対象疾患
肺癌
新聞などでよくご存知と思いますが、肺癌は近年、年々増加しており悪性新生物による死亡原因の第1位を占めるようになっています。喫煙がもっとも大きな原因で、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌、小細胞癌などの組織のタイプ(組織型)があります。組織型と癌の広がりを評価してどのような治療方針を取るかが決定されます。肺癌は不治の病なのでしょうか?そのようなことはありません。早期肺癌の8割以上が手術で助かります。従って、早期に発見することが大変重要なのです。早期発見のためには住民検診や職場検診を必ず受けることが必要です。また、咳、痰、胸痛、発熱、食欲不振などの症状が見られたら、すぐに呼吸器の専門家に見てもらうことも大切です。当院では呼吸器内科と十分な連携をとり、EBMに基づいた診断と治療をおこなっております。胸腔鏡手術を導入して従来の開胸による肺癌手術と比べ傷を小さくすることにより、手術の負担を軽くし、入院期間の短縮をはかることで患者さまの負担軽減を目指しています。また術後のフォローアップ、そして再発に対する治療などを行っています。
転移性肺腫瘍
大腸癌や乳癌など他の臓器の癌が肺に転移をした腫瘍を転移性肺腫瘍といいます。低侵襲の胸腔鏡手術により腫瘍を切除することによって根治を期待できます。
縦隔腫瘍
胸腺腫、奇形腫、神経の成分からなる腫瘍、嚢胞など様々なものがあり、悪性のものも良性のものもあります。治療は一部を除いて原則的には手術による切除です。
気胸
10~20歳代の若い男性に多い疾患で肺が破れて窒気が漏れ、肺が虚脱します。肺虚脱のひどい場合は、まず胸腔内にチューブを入れて吸引(胸腔ドレナージ)を行って肺を広げますが、空気漏れがなかなか止まらない場合や再発した場合は手術を行うのが普通です。
膿胸、肺化膿症
感染症であり、原則的には内科的治療が行われますが、治りの悪い場合や、悪性腫瘍の合併が疑われる場合は手術を行うことがあります。
重症筋無力症
神経と筋の接合部で刺激がうまく伝達されなくなって筋力が低下する疾患で、内科的治療も行われますが、胸腺(縦隔の前方に位置している)の摘出術が有効な場合があります。
もしこのような症状がある場合には、ご相談ください。
担当医
守尾 篤もりお あつし
副医局長
呼吸器外科部長
略歴・経歴
神戸大学(順天堂大学)
順天堂大学非常勤講師
専門分野
肺癌
資格・専門医
日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本呼吸器外科学会認定呼吸器外科専門医・評議員
日本呼吸器内視鏡学会認定指導医・気管支鏡専門医
日本胸部外科学会指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
医学博士
日本外科学会第11回(平成16年度)研究奨励賞授賞
所属学会
日本外科学会
日本胸部外科学会
日本呼吸器外科学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本肺癌学会
日本癌治療学会
日本呼吸器学会
二川 俊郎ふたがわ としろう
呼吸器外科部長
略歴・経歴
順天堂大学
専門分野
呼吸器外科一般
資格・専門医
日本呼吸器外科学会専門医
日本外科学会専門医
呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医
臨床研修指導医
所属学会
日本呼吸器外科学会
日本胸部外科学会
日本外科学会
中原 和樹なかはら かずき
東京逓信病院 副院長兼呼吸器外科部長
略歴・経歴
順天堂大学
鈴木 健司すずき けんじ
順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器外科主任教授
略歴・経歴
防衛医科大学校
今清水 恒太いましみず こうた
順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器外科准教授
略歴・経歴
順天堂大学