〜 「年のせい」とあきらめる前に。「治療可能な認知症」かもしれません 〜
「最近、歩き方がおかしい」「ぼーっとしている時間が増えた」。それは単なる老化やアルツハイマー型認知症ではなく、「特発性正常圧水頭症(iNPH)」という脳の病気が原因かもしれません。 この病気は、早期に発見し適切な治療を行うことで、症状が劇的に改善する可能性があるため、「治療可能な認知症」とも呼ばれています。
■ どんな病気?
脳と脊髄の周りを循環している「髄液(脳脊髄液)」の吸収が悪くなり、脳の中にある「脳室」という空間などに余分な水分が溜まってしまう病気です。 溜まった水が脳を内側から圧迫することで、神経の働きが悪くなり、歩行障害や認知機能の低下を引き起こします。60代、70代の方に特に多く発症します。
■ ご家族が気づきやすい「3つのサイン」
以下の症状が揃っている場合、あるいは「歩き方」の変化が目立つ場合は、一度専門医による診断を受けることを強くお勧めします。
- 歩行障害 足が地面に吸い付いたように上がらない(すり足)。歩幅が小刻みになり、転びやすくなる。立ち上がったり座ったりするのが難しくなったり、小回りが効かなくなったりすることも。
- 認知機能低下 物忘れが目立つようになる。呼びかけても反応が鈍い(無気力・無関心)。一日中ぼーっとしていることが増える。
- 排尿障害(尿失禁) トイレが近くなる(頻尿)。我慢できずに漏らしてしまう。
■ 診断と治療について
まずはMRI/CT検査を行い、脳室の拡大や脳の圧迫具合を確認します。 画像診断でiNPHの可能性が高いと判断された場合、脳神経外科的な治療(手術)によって歩行や認知機能の改善が期待できます。 「もう年だから仕方がない」と諦める前に、まずは当科外来までご相談ください。





